15弦ハープ弾こうと思って膝の上に乗せるとグラグラして弾けないです。どうすればいいですか。
15弦ハープをはじめとして、膝に乗せられるくらい小さいハープは床に置けるタイプのハープに比べて演奏時の安定感に欠けます。
小さなハープを安定させて弾くための色々なアイディアについて解説します。
基本の構え方
15弦ハープの基本の構え方は以下です。
独学やお教室で使用しやすいよう、下の画像のPDFファイルをこの記事の一番下に置いておきますのでご利用ください。
この構え方をするための詳しいポイントや、ハープが膝に安定的に乗らない時の対策、膝に乗せる以外の選択肢をご紹介していきます。
椅子に座ってハープを膝の上に乗せる
まず、基本である椅子に座って膝の上に乗せる場合の工夫について説明します。
椅子の高さについてですが、一般的な高さの椅子でうまくバランスが取れない場合、低めの椅子、できれば膝が90°に曲がるくらい低い椅子がおすすめです。
その方がハープが乗る面が水平に近くなり、安定します。
低い椅子がない場合、以下のような折りたたんで高さを調節できる椅子を使うと良いでしょう。
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⭐️背もたれのあるような座面の広い椅子の場合は、椅子に浅めに座ります。
⭐️かかとを浮かせないように、足の裏をしっかり床に付けます。
⭐️足は開かず、しっかりとくっつけておきます。
⭐️膝の上に乗せる時の、具体的な場所は太ももの方ではなく、膝のお皿の骨に引っ掛けるような形で乗せます。太ももの方に乗せると、ハープが前に倒れやすくなってしまいます。
⭐️ハープを片方の足の膝上に置くのではなく、右足と左足の両方に乗るようにします。
⭐️ベルトがある場合は、膝上にハープを乗せた時に、ベルトはピンと張っているはずです。だらんとしてしまう場合は、ベルトの長さが長すぎるか、ハープが太ももの方に乗っています。ベルトが長い場合は短く調節し、ハープを太腿ではなく膝の方に乗せましょう。
⭐️膝の上にハープを乗せたら、ハープを傾けてサウンドボックスの上部を右肩におきます。この時、ハープの弦が地面とだいたい垂直になるような角度に傾けます。(演奏中に揺れるので、垂直を常にキープしなければならないわけではありません)。
以上のことに気をつけて、最終的にハープから手を離しても安定していれば大丈夫です。
椅子に座る時の腰について
椅子に座るときに、姿勢をよくしようとして背中を反らせる方がいらっしゃいますが(昔の私です)、演奏が不安定になってしまうので、両方のお尻の骨を座面にしっかりつけるようにし、背筋は自然に伸ばす程度にしておきます。
私は昔、背中を反らせる弾き方をしていて、特に人前で弾くなど緊張した時に指がうまく動かなくなることに悩んでいたのですが、上の写真のようなことを注意することで、かなり改善されました。
ハープを乗せる部分が痛い、おさまりが悪い時
私自身は足の筋肉も脂肪も結構厚めなタイプなので、ベルトが無くても膝の上にハープを問題なく安定して置くことができ、痛いと感じることはほとんどありません。
しかし、ハープが骨に当たって痛みを感じたり、ハープが安定する位置がどうしてもしっくり決まらない方もいらっしゃいます。
そのような場合は、クッションやタオル、滑り止めシートなどを膝の上に置き、その上にハープを乗せるようにすると安定感が増します。
椅子に座ってハープを足の間に挟む
上記の対策をしてもハープが不安定で弾けない場合は、足の間に挟んでしまうのも一つの方法です。
ハープが足の間に下ろせるくらいベルトを長めにします。
足を開いて、太ももでハープのサウンドボックスを挟むようにします。
ハープの弦が近すぎて焦点が合わないという方も、距離が遠くなるので見えやすくなるという利点もあります。
椅子に座ってハープは椅子の座面に置く
足に挟むだけだと疲れてしまうという方は、椅子に深く腰掛けて、足の間に見える椅子の座面にハープを置いてしまうのも一つの手です。
椅子に座ってハープは台の上に置く
足の間に台や椅子を置いて、その上にハープを乗せて弾く方法もあります。
座面がツルツルする場合は、クッションや100円ショップで売っている網目状の滑り止めを乗せてみましょう。
15弦ハープを置く台や椅子は、座る椅子よりも少し高めのものを用意します。
または、高さの変えられる譜面台を利用して、譜面を載せる部分を真横に倒し、そこにスケッチブックなど厚みのある紙やノート、または木の板などを置いた上にハープを乗せるのも一つの方法です。
ただ、こちらはハープが重いと譜面台が壊れる可能性もあるので、様子を見ながらやってみてください。
床に座って弾く
椅子に座らず、床に座って弾く方法もあります。
例えば、床にハープを置いて斜め座りにする方法です。
またはあぐらをかいて座って、ハープを足の上に置くなどしても良いです。
立って弾く
小型ハープは立って弾くこともできます。
ベルトがついていれば、ベルトで肩からハープを下げて立って弾くこともできます。
またはちょうど良い高さの机やテーブルの上にハープを置いて、立って弾くのも良いでしょう。
以上は私が考えられる例です。
これ以外にも、こんな弾き方があるというアイディアがございましたら、ぜひコメントをお待ちしています。
そのほか演奏中にハープが安定しない場合
ハープを弾かない状態では安定しているのに、演奏を始めると不安定になる場合、弾き方に問題がある場合があります。
弦でハープを必要以上に引っ掛けて引っ張っている
ハープに指を深くかけすぎると、弦から指が外れず必要以上に引っ張ってハープ本体まで動いてしまいます。指先の数ミリ程度のところを弦にかけ、弦から指がスムーズに外れるようにしましょう。
腕でハープのサウンドボックスを押してしまっている
右腕はハープにつけ、左腕は付けません。
安定させようと思って両腕でハープのサウンドボックスを挟むようにして弾いている方もいらっしゃいますが、これですと左手でハープを押してしまったり、姿勢が縮こまった形になり、全身を使った演奏がしにくいです。
左腕をサウンドボックスに押し付けてしまっている方は離すようにします。
右腕はサウンドボックスに触れておくのですが、この時に強く押したりせず、軽く触れる程度にしましょう。
自分に合った構え方を見つけましょう
せっかく手元にある15弦ハープを、安定しないからという理由で置物にしてしまうのは勿体無いです。
15弦ハープなどの小型のハープは、最近多く出回るようになった新しい楽器ですので、クラシックや伝統音楽の世界のように、こうしなければならないという決まりはありません。
ぜひいろいろな方法を試して、工夫してハープを奏でてあげてください。
おまけ:床に置くタイプのハープの構え方
床に置くタイプのハープの構え方は15弦ハープとは違った注意点もあるので、おまけで置いておきます。
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