
ハープって自分で音を合わせるのですか?



はい、ハープは気温や湿度によって音が狂いやすいので、演奏前には毎回チューニングが必要です。
以下で15弦ハープのチューニングについて解説します。
文字で見てもよく分からなかった場合は、チューニング方法の動画も紹介していますので、そちらも併せてご覧ください。
わかりやすいPDFファイルもダウンロード可能です。
チューニングに必要な道具
チューニングをするにはハープ本体に付属している、チューニングキー(チューニングハンマー)と、チューナーが必要です。


チューニングキーは新品のハープなら購入時に必ず付いてきます。
中古の場合は無いこともあるので、その場合はハープのメーカーを調べて、そのハープに合うチューニングキーを購入する必要があります。メーカーが違うと、チューニングピンの太さが違うので合わないことが多いです。
青山ハープについては、小太鼓用のチューニングキーが代用できます。


チューナーは街の楽器店のほか、アマゾンや楽天で購入可能です。
四角い機械が本体で、細長いコードの束の先端にクリップ状のものがついているのは、クリップ型のマイクです。ハープのサウンドホールやチューニングピンなどに挟んで使います。




静かな環境で個人練習しかしない場合、本体のみでも音は拾えるのでクリップ型マイクは不要かもしれません。
しかし、ハープの発表会などたくさんの人が一斉にチューニングするような環境では、本体のみですと自分のハープの音を拾ってくれないため必須です。マイクも最初から持っていて損はないと思います。
チューナーのみの機能があるタイプは以下のようなものです。
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メトロノーム機能付きですと、メトロノームをわざわざ別に買わなくて済むので、個人的にはこちらの方がおすすめです。
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クリップ型のマイクはこちらです。
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また、この様なクリップ型のチューナーですと、小型で持ち運びしやすく、騒がしい場所でも音をよく拾ってくれるのでおすすめです。
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ギター用のチューナーですと、特定の音しか合わせられない時があるので避けましょう。
静かな場所でチューニングを行う場合、無料でダウンロードできるアプリでも十分使えます。
うっかり演奏先でチューナーを忘れた時などにも、チューナーアプリを持っていると大変便利です。
iPhoneでおすすめのチューナーアプリ
iPhoneでおすすめのチューナーアプリはこちらです。
アンドロイドでおすすめのチューナーアプリ
アンドロイドでおすすめのチューナーはこちらです。メトロノームもついています。
iPhone、アンドロイド両方で使えるおすすめのチューナーアプリ
こちらはメトロノーム付きチューナーで、iPhoneでもAndroidでも使用可能です。
他のアプリでも大丈夫ですが、ギター用のチューナーアプリですと、特定の音しか合わせられない時があるので避けましょう。
レバーの有無によるチューニング方法の違い
15弦ハープはレバーの無いタイプと、レバーがあるタイプがあります。


レバー無しハープ
レバーがないタイプは、弾きたい調に合わせてチューニングします。
初心者のうちはハ長調(Cメジャー)いわゆる、赤い弦のドから始まってドレミファソラシドになる調でチューニングすることが多いので、ハ長調に合わせます。
下の画像を参考にしてみてください。
独学やお教室で使用しやすいよう、下の画像のPDFファイルをこの記事の一番下に置いておきますのでご利用ください。


レバー付きハープ
一方、レバー付きのハープは、レバーを上げ下げすることで、♯や♭などの臨時記号を出すことができます。
基本的に、以下のような変ホ長調(E♭メジャー)、いわゆる、ミ♭から始まるとドレミファソラシドに聞こえる調にチューニングにします。
レバー付きのハープをチューニングするときは、必ず全てのレバーを下げた状態で行います。
なぜなら、レバーを上げたままチューニングしてしまうと、弦やレバーに過度な負担がかかって、弦が切れやすくなったり、レバーが故障する原因になるからです。
また、レバーを上げたままだと、弦を途中で押さえつけているので、その状態でチューニングピンを回しても、弦全体に均等に張力がかかりません。レバーを上げたままチューニングすると、レバーを下ろしたときに弦の一部にかかっていた張力が解放され、音がズレてしまうのです。
以上のことから、レバーは下げてからチューニングをした方が良いです。
独学やお教室で使用しやすいよう、下の画像のPDFファイルをこの記事の一番下に置いておきますのでご利用ください。




E♭(D♯)のように書いてあるのは、メーカーによってチューナーの表示が異なるからです。
このチューニングに設定して、ハ長調(Cメジャー)いわゆる、赤い弦のドから始まってドレミファソラシドになる調にしたい場合は、ミとラとシのレバーを全て上げます。
なぜ全てのレバーを下げた状態でハ長調にしないかというと、レバーは上げることで♯にすることはできても、♭にすることはできないからです。そのため、全てのレバーを下げた状態でハ長調にしてしまうと、レバーを上げて♯系の調は弾けても、♭系の調を弾くことができません。これでは、レバーの利便性を十分に活かせません。
全てのレバーを下げた状態で、フラットが3つ付いた調である変ホ長調(E♭メジャー)にすることで、フラット系の調3つ(E♭、F、B♭)、ハ長調、♯系の調4つ(G、D、A、E)に対応することができるのです。
ハープの販売店によっては、ハープが届いてすぐに直感的に弾けるように、レバーを全て下ろした状態でハ長調になっています。そのままでもハ長調だけ弾く場合なら問題ないですが、レバーの機能を十分活かしたい場合は、上のようなチューニングにし直すことをおすすめします。
個人やお教室で使用しやすいよう、上の画像のPDFファイルをこの記事の一番下に置いておきますのでご利用ください。
チューナー画面の表示例
チューナーの画面の表示例を紹介します。


上の写真はヤマハのチューナーの画面です。


上の写真はiPhone用アプリの楽器チューナー Lite by Piascore の画面です。
チューナーの基準ピッチを合わせる
チューナーの基準ピッチ(周波数)を合わせます
基準ピッチを合わせるとは、A4(ラ)のピッチをいくつに設定するか決めることです。ピッチ(周波数)について解説するとかなり長くなってしまうので、ここでは説明を割愛します。
全てのチューナーには基準ピッチを操作できるボタンがついています。楽器チューナー Lite by Piascore の場合は矢印で示した三角マークで調整します。
他の楽器と合わせる時は440Hz、ハープソロでは442Hzに合わせるのが一般的です。


音名の横の数字は何?
チューナーによっては、下の写真の⭕️のように、音名のアルファベットの横に数字が表示されるものもあります。


この数字は、オクターブの度合いを表しています。 数字の数が1つ増えると、1オクターブ高くなります。
15弦ハープではハ長調の場合、1番低いドから1番高いドまで以下のような数字が表示されます。
C4 D4 E4 F4 G4 A4 B4 C5 D5 E5 F5 G5 A5 B5 C6
ハープのチューニングピンのタイプ
ハープのチューニングピンのタイプは2種類あります。
まず、チューニングキーが腕木のハープの弦を引っ張っている側に付いているタイプです。


私がプロデュースしている森の竪琴、ストーニーエンド社のハープなどはこのタイプです。今どの弦のチューニングをしているかが見やすいです。
次に、こちらが主流なのですが、チューニングピンが腕木を貫通していて、ハープの弦を引っ張っている方と反対側からチューニングキーを差し込んでチューニングピンを回すタイプです。


このタイプは弾いている弦と違った位置のチューニングピンにチューニングキーを誤って差し込んでしまい、弦を切ることがあるので注意が必要です。
チューニングのポイント その① チューニングキーを正確なピンに差し込む
チューニングピンのタイプによらず、右回りに回すと音が高くなり、左回りに回すと音が低くなります。
まず、チューニングしたい弦が繋がっているチューニングピンにチューニングキーを差し込みます。


ここで、必ず回しているピンと弾いている弦が合っていることを確認してください。
もし回しているピンと弾いている弦がズレていると、いくら回しても音の高さが変わらす、回しすぎて弦を切ってしまいます。
初心者はやりがちなミスです。




チューニングのポイント その② 弦を小刻みに、連続して弦を弾く
弦を小刻みに、連続して弾きます。
なぜなら、弦を弾いた後、振動数はどんどん減衰(少なくなる)するため、音もどんどん低くなってしまうからです。
低くなった音をチューナーが拾って、それに合わせても正確なチューニングはできません。
わかりにくい場合はこちらの動画を参考にしてみてください。
チューニングのポイント その③ チューニングキーを少しずつ回す
チューニングを初めて行う、又は慣れていないうちは、チューニングキーをダイナミックに回しがちです。
チューニングキーを少し回しただけでも、ハープの弦は簡単に音の高さが変わってしまうので、チューナーを見ながら、弦を小刻みに弾いて、現在の音の高さを確認しながら少しずつ回します。
音の高さを確認せずにチューニングキーを回すと、合わせたい音から大きく外れてしまい、合わせるのが余計大変になってしまいます。慣れないうちは弦を弾かずにチューニングキーだけ回さないようにましょう。
わかりにくい場合はこちらの動画を参考にしてみてください。
チューニングのポイント その④ 低かったら右回り、高かったら左回り
合わせたい高さの音が画面に表示されたのを確認したら、
弦を弾いた瞬間、チューナーの針の先が1番右に行った時に、音名の左側にあるか、右側にあるかでチューニングキーを回す方向を決めます。


上の画像のように、針の先が音名(画面ではC)の左側(♭側)にある場合、音がCより低いので高くする必要があります。
チューニングキーは右回りに回すと音が高くなり、左回りに回すと音が低くなるので、この場合は右回りにチューニングキーを回します。






上の写真のように、針の先が音名(画面ではC)の右側(♯側)にある場合、音がCより高いので低くする必要があります。
チューニングキーは右回りに回すと音が高くなり、左回りに回すと音が低くなるので、この場合は左回りにチューニングキーを回します。




最終的に、下の写真のように針が1番右に行った時に中心に合えば、その音のチューニングは完了です。


この作業を、15弦ハープなら15本全ての弦で行います。
わかりにくい場合はこちらの動画を参考にしてみてください。
チューニングのポイント その⑤ チューニングキーを挿しっぱなしにしない
チューニングキーを挿しっぱなしにして手を離し、放置してしまうと、何かの弾みでチューニングキーが外れ、ハープにぶつかってハープが凹んだり傷つく恐れがあります。
チューニングキーはハープに当たって傷つくことを防ぐため、ゴムで保護されていることも多いですが、金属が剥き出しになっているチューニングキーもあるので、挿しっぱなしにする癖はつけない様にしましょう。


ハープのチューニング解説動画
34弦レバーハープを使ったチューニングの仕方の解説動画を以下に載せておきます。15弦のハープであっても原理は全く同じです。
どのレバーを上げると何調になるのかを解説した動画リンクを以下に載せます。34弦レバーハープで解説していますが、15弦のハープであっても原理は全く同じです。
以上の知識を身につければ、15弦ハープのチューニングについてはバッチリです。
頑張ってください。
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